NETISは、公共工事等に関する優れた技術を持続的に創出していくため、民間事業者等により開発された有用な新技術を積極的に活用する目的で整備された、国土交通省のイントラネットおよびインターネットで運用されるデータベースシステムです。正式名称は「新技術情報提供システム」で、その英訳である“NewTechnology Information System”の頭文字をとって「ネティス」と呼ばれ、国土交通省により平成18年度から本格運用されています。
これは、そのデータベースを中核として、新技術情報の収集・共有、積極的な現場導入、導入現場での活用効果の調査、調査結果に基づく事後評価という一連の流れを制度化し、有用な新技術の活用と技術開発のスパイラルアップを図る総合的な仕組みになっています。評価結果が優れている新技術については、総合評価落札方式や工事成績評定において加点対象となるなどのインセンティブが付与されます。(下図)
NETISには平成28年6月現在でおよそ5,000件以上の技術が登録され、平成27年度の1年間では、およそ4,700件(45%)の直轄工事等において活用されています。同年度における新技術の延べ活用数は約15,000技術に上ります。
NETISに登録された技術のうち、実際に直轄工事等で活用され、各地方整備局等が設置する新技術活用評価会議でその効果が審査された技術は「事後評価実施済み技術(NETIS番号の末尾に「-VE」「-VR」が付く)」として取り扱われます(技術情報は「評価情報」と呼ばれます)。平成28年6月現在でおよそ1,450件が該当します。
一方で、NETISに登録されているものの、まだ新技術活用評価会議でその効果が審査されていない技術は「事後評価未実施技術(NETIS番号の末尾に「-A」が付く)」として取り扱われます(技術情報は「申請情報」と呼ばれます)。平成28年6月現在でおよそ3,600件が該当します。
事後評価実施済み技術のうち、特に優れた技術と認められたものが「有用な新技術」として取り扱われ、その評価内容から「推奨技術」「準推奨技術」「評価促進技術」「活用促進技術」に分類されます。過去の実施要領で「設計比較対象技術」「少実績優良技術」とされたものも含め、平成28年8月現在でおよそ480件が該当し、これらの技術の提案・活用が認められれば、工事成績評定で加点されます。
総合評価落札方式における新技術活用に対する加点
総合評価方式においてNETISに登録された新技術の活用を提案した場合、加点の対象になります(加点の方法は提案を行った地方整備局等によって異なります)。
※「情報化施工技術の使用の有無」を選択しない場合は()内の配点。
※評価項目は選択。
※①と②で重複加点はしないが、
①と②が同技術の場合は重複加点するものとする。
※評価項目は選択項目として設定。
総合評価落札方式における新技術活用に対する加点
新技術の活用を提案(契約後提案、施工計画書、工事打ち合わせ簿による活用提案)すれば、下記のように工事成績評定に加点されます(活用効果調査表は必ず提出してください)。
温度計測の仕様 | 提案の評価 | 加点 |
---|---|---|
事後評価実施済み技術のうち「有用な新技術」 事後評価未実施技術 |
活用の効果が相当程度 | +1.2点 |
活用の効果が一定程度 | +0.8点 | |
型式活用の効果が従来技術と同程度 | +0.4点 | |
事後評価実施済み技術(有用な新技術を除く) | 活用の効果が相当程度 | +0.8点 |
活用の効果が一定程度 | +0.4点 |