配筋検査ARシステム「BAIAS®」

NETIS技術名称:配筋検査ARシステム BAIAS(バイアス)
鉄筋コンクリート構造物の配筋検査を1名でも簡単に実施できるシステムです。
iPad ProのLiDARセンサーを用いて、鉄筋の本数・間隔の計測が可能です。鉄筋径についても、任意の鉄筋において1本ずつ計測が可能であり、国交省実施要領の全計測項目に対応しております。
設計図と計測結果を比較可能な帳票出力、鉄筋のかぶり厚さ計測機能やダブル配筋計測機能、重ね継手や定着の長さ計測に適した2点間計測機能、レイアウトを自由に変更可能な電子小黒板機能も実装しています。これらの機能により、生産性や作業効率の大幅な改善が期待できます。(特許登録済:特許第7150290 号)

本製品は村本建設株式会社との共同開発製品です。

利用イメージ

iPad Pro1台だけで鉄筋コンクリート構造物の配筋検査を誰でも簡単に実施できます。検査から帳票作成まで、シンプルで一貫したワークフローを実現します。

令和5年7月に『デジタルデータを活用した鉄筋出来形計測の実施要領(案)』が国土交通省により策定され、鉄筋コンクリート構造物の鉄筋出来形計測における受発注者の作業効率化等を図るため、社会実装への取り組みが推進されています。
現在、配筋の出来形確認のほとんどは現地で直接計測・確認を行っていることから、事前準備や計測、測定結果の入力作業に多くの人員と時間を必要とする点に課題が指摘されていますが、これらの問題点を解消し、関連業務の生産性向上を目的に開発されたのが「配筋検査ARシステムBAIAS(バイアス)※」です。

※BAIASは、Bar Arrangement Inspection AR Systemの頭文字から命名されました。

概要

1名で実施可能なAR配筋検査で生産性や作業効率が大幅に改善

従来の配筋検査では、測定箇所毎に対象の鉄筋へマーキングし、検尺ロッドを使用して行うため、準備から検査帳票作成まで1 ~ 2 名の作業者が必要でしたが、BAIAS ではiPad Pro のみで配筋検査を行うため、作業者を1 名に省人化することが可能となります。これにより、作業時間を約50 ~ 70%短縮します。

システム構成

国土交通省の実施要領への適合について

国土交通省が令和5年7月に策定した「デジタルデータを活用した鉄筋出来形計測の実施要領(案)」で示されている各種項目について、BAIASの適合状況は上記の通りとなります。

土木施工管理システム「EX-TREND武蔵」との連携が可能

BAIASにて得られた鉄筋の本数・径・間隔・かぶり厚さなどの計測値を、「EX-TREND武蔵」※の「出来形管理プログラム」に取り込み、国土交通省などへ電子納品可能な出来形管理図表として出力することが可能です。また、「EX-TREND武蔵」で登録した設計値をXML形式でBAIASにインプットすることも可能です。
これらの連携により、計測実施にあたっての設計値の登録作業がより容易となり、検査プロセス全体の効率化を実現します。



※「EX-TREND武蔵」は福井コンピュータ株式会社が提供する土木施工管理システムです。「EX-TREND武蔵」の詳細については、https://const.fukuicompu.co.jp/products/extrendmusashi/(外部サイト)をご参照ください。

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BAIASのデモ機貸出サービス(無料)を行っております。
BAIASのデモをご希望のお客様は、以下の専用フォームよりお申し込みください。

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機能・特徴

ダブル配筋でも配筋間隔の計測が可能

強度や耐久性を高めるためにコンクリート内の鉄筋を2段に配筋する、いわゆる「ダブル配筋」に対しては、一方向からの目視確認が難しい奥側の配筋に対しても、AR表示された赤線のガイドライン上でスライドするマーカーを、目視可能な角度から対象鉄筋の位置に合わせて配置することで、配筋間隔を自動的に計測することが可能です。
これにより、幅広い工事での省力化が期待されます。

かぶり厚さの計測にも対応

「鉄筋のかぶり厚さ」(=コンクリート表面から鉄筋までの最短距離)の検測にはスケールを用いた目視確認が行われてきましたが、配筋が密な場合には計測が難しい、目盛りが読みにくく値がばらつく、といった課題がありました。

BAIASでは型枠や床面が平面である場合に、この平⾯を計測後に表示されるARマーカーを現実の鉄筋に重ね、平⾯から鉄筋までの距離を測ることでかぶり厚さを算出し、計測結果と写真をあわせて出力することが可能です。
加えて、かぶり厚さの確保のために使用されるスペーサー個数や配置を記録し、写真とあわせて出力することも可能です。

鉄筋かご計測機能にも対応

構造物の基礎となる「場所打ちコンクリート杭」で配筋する鉄筋を事前に組み立てたものを「鉄筋かご」といいます。この「場所打ちコンクリート杭」が所定の強度を発揮できるよう、「鉄筋かご」の鉄筋間隔や本数が設計図書の規定を満たす必要があります。一方検査では、「鉄筋かご」の構造が円形(曲面)であるため、テープロッドや巻尺・コンベックスの計測時に目盛りが読みにくい、値がばらつく、といった課題があり複数の作業員による対応も必要でした。

BAIASでは、計値を表した円形の計測範囲を「鉄筋かご」の円周に合わせ、ARマーカーを現実の鉄筋に重ねることで、「鉄筋かご計測機能」に対応しております。これにより検査プロセスにおける一層の省力化が期待されます。

電子小黒板機能により、検査プロセスの 省力化に貢献

BAIAS には項目名やサイズ、レイアウトを自由に変更可能な電子小黒板機能を実装しております。計測結果は自動的に電子小黒板に埋め込まれるため、従来の方法(①コンベックスで計測、②計測結果を確認し平均間隔を計算、③手書きで黒板に書き込む)が不要となり、検査プロセスのさらなる省力化が可能です。

※BAIASは(一社)施工管理ソフトウェア産業協会による信憑性確認(改ざん検知)機能検定および小黒板情報連携機能検定に合格済み

2点間計測機能により、 事前準備や作業の手間が軽減

従来の重ね継手・定着の検測にはスタッフやリボンテープなどが用いられ、事前準備・撮影や帳票作成に手間を要していましたが、BAIAS では、計測したい2 点をiPad Pro の画面上で指定して計測ボタンをタップするだけで、簡単に2点間の計測結果を画面上にAR 表示することが可能です。

BAIAS機能ご紹介動画

BAIASのそれぞれの機能について、動画にて具体的な操作方法をご紹介しております。
・鉄筋間隔計測機能 0:00
・ダブル配筋計測機能 2:30
・2点間計測機能 4:40
・かぶり厚計測機能 6:10
・スペーサー個数計測機能 7:50

配筋検査の手順

BAIASの操作手順について、動画にて分かりやすく説明しております。
アプリの立ち上げから計測方法、帳票の印刷まで一貫したワークフローをご確認ください。

1.点群から鉄筋の三次元データを測定

配筋間隔の計測はiPad Pro上でアプリを起動して、対象を撮影します。iPad Proに搭載されたLiDARセンサーによって、予め設定した計測範囲の内側で取得した点群から鉄筋の配置を検出し、鉄筋の間隔を自動で算出します。

2.撮影画像にライン・配筋間隔をオーバーレイ

鉄筋の点群データを利用し、鉄筋の本数・間隔を自動計測した結果に基づいて、画面内にラインおよび配筋間隔の数値をオーバーレイ表示します。
この時撮影した画像データは、関連情報とともに保存することが可能です。

3.鉄筋径の自動計測が可能

検知した鉄筋に対して、D10~D51までの12種類の鉄筋径計測を行うことが可能です。計測した鉄筋径も画面上にオーバーレイ表示されます。

4.2点間計測により「重ね継手」や「定着」の長さも確認が可能

空間に仮想の平面を設定し、2点間距離を計測することで、「重ね継手」や「定着」の長さも計測が可能です。
計測したい2点をiPad Proの画面上で指定して計測ボタンをタップするだけで、簡単に2点間の計測結果を画面上にAR表示します。

5.クラウドとの同期で帳票をPDF出力

保存された鉄筋の計測値と画像データは、アプリ内でいつでも確認することができます。さらにiPad Pro内のデータをクラウドと同期することで、設計図と実際の配筋状況を比較できる帳票をPDFファイルとして出力することが可能です。

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仕様

BAIASクラウド仕様

対応ブラウザ Microsoft Edge最新バージョン
Chrome最新バージョン
インターネット接続回線 光回線を推奨
解像度 1366×768 (px)以上を推奨

iPad Proアプリケーション仕様

対応機種 11インチ iPad Pro(第2世代以降)※1
12.9インチ iPad Pro(第4世代以降)
対応OS iPad OS16以上
外部クラウドストレージ Box ※2
最大計測範囲 3m ※3
計測対象 地面から垂直方向に配筋された鉄筋(壁、柱、梁)
地面と水平に配筋された鉄筋(スラブ、梁)
円形の鉄筋(鉄筋かご)
撮影距離 壁・柱方向 15~50(cm)
スラブ方向 15~120(cm)
撮影角度 壁・柱方向 ±15°
スラブ方向 ±30°
保存画像拡張子 JPG 1280×960(px) (120万画素相当)
帳票データ PDF/CSV
保存可能計測データ数 20,000件以上
(1件約2MB、iPad Proの空容量に依存)
通信回線 以下操作時のみ Wi-Fi もしくはモバイル回線が必要
①BAIASクラウドとの同期
②Boxへの計測データバックアップ
③Microsoft TeamsやZoomによる遠隔臨場
※配筋の計測時に通信回線は不要

※1 iPad Proのハードウェア仕様は以下のApple社の公式Webサイトをご参照ください。
https://www.apple.com/jp/ipad-pro/specs/
 
※2 計測データのバックアップ用に、標準のBAIASクラウド以外のクラウドストレージサービスのご利用が可能です。クラウドストレージサービス「Box」のご利用にはアカウントが必要です。詳細は以下の公式Webサイトをご参照ください。
https://www.box.com/ja-jp/home
※3 ダブル配筋計測時は5mまで計測可能です。

よくある質問と回答

  • 配筋検査ARシステムBAIAS(バイアス)のご質問は、BAIAS専用Q&Aページをご参照ください。

     
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    はい。デモ機貸出サービスを行っております。BAIASのデモをご希望のお客様は、以下の専用フォームよりお申込みください。

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