国土交通省試行要領に規定された全ての計測項目に対応、活用の幅も一層拡大
iPad Proで撮影した画像から鉄筋径や配筋間隔の自動計測を行う「配筋検査ARシステムBAIAS®」(以下「BAIAS」)において、“鉄筋かぶり計測機能” の追加により、国土交通省による「デジタルデータを活用した鉄筋出来形計測の試行要領(案)」の計測対象とする全項目(鉄筋本数、鉄筋径、配筋間隔、鉄筋かぶり)への対応を完了するとともに、“ダブル配筋の奥側計測” にも対応し、2023年6月29日より提供を開始しましたのでお知らせ致します。
※BAIASは村本建設株式会社との共同開発製品です。
■開発経緯
鉄筋コンクリート構造物の施工において実施される配筋検査では、鉄筋とコンクリートの一体化を図るため付着力を確保する、鉄筋の腐食を防止する等の理由から、「鉄筋のかぶり厚さ」(=コンクリート表面から鉄筋までの最短距離)が設計図書に規定される値を満足しているか確認しなければなりません。この「鉄筋のかぶり厚さ」の検測にはスケールを用いた目視確認が行われてきましたが、配筋が密な場合には計測が難しい、目盛りが読みにくく値がばらつく、といった課題がありました。
今回のバージョンアップでは、型枠や床面が平面である場合に、この平⾯を計測後に表示されるARマーカーを現実の鉄筋に重ね、平⾯から鉄筋までの距離を計測する機能(鉄筋かぶり計測機能)を追加するとともに、かぶり厚さの確保のために使用されるスペーサーの個数や配置を記録する機能を追加しました。
これにより、令和4年6月に改定された国土交通省「デジタルデータを活用した鉄筋出来形計測の試行要領(案)」の計測対象とする全項目(鉄筋本数、鉄筋径、配筋間隔、鉄筋かぶり)へ対応致しました。
また、強度や耐久性を高めるためにコンクリート内の鉄筋を2段に配筋する、いわゆる「ダブル配筋」に対しては、奥側の配筋間隔を計測することが難しく、お客様からも対応のご要望を数多く頂いておりました。
そのため、今回のバージョンアップでは、一方向からの目視確認が難しい奥側の配筋に対しても、AR表示された赤線のガイドライン上でスライドするマーカーを、目視可能な角度から対象鉄筋の位置に合わせて配置することで、配筋間隔を自動的に計測することが可能となり、ダブル配筋への対応を実現させました。
これら機能の追加により活用の幅が拡大することで、検査プロセスにおける一層の省力化が期待されます。
■配筋検査ARシステムBAIAS製品ページ
https://www.gembaroid.jp/product/baias.html